RONIN浪人
English 武具を求める
紅い月の下、城の屋根にかがむ覆面の忍び。手から手裏剣が放たれる。

得物 応える者へ

鋼は、握った手を覚えている。

ひとつの鍛冶場から、七つの武具。邪な手には重く、誓った手には軽い。

和紙の上に並べた忍びの武具。刀、手裏剣、苦無、鎖鎌、撒菱、鉤縄。

構えは二つ。鎖は一本。

静の構えは、道から壁を読む。動の構えは、壁そのものを試す。ひとつの刃が見つけたものが、次の刃を研ぐ。

  1. 木の門の継ぎ目に打ち込まれた苦無。
    一苦無

    斬る前に、掘る。帳面に残る隠し部屋まで。

    城がかつて名乗った名を、ひとつ残らず。

  2. 紅い墨の尾を引いて放たれる三枚の手裏剣。
    二手裏剣

    すべての戸へ、一度に放つ。生きた戸だけが応える。

    どの城の戸も、ひと息に数える。

  3. 門前の石畳に撒かれた鉄の撒菱。
    三撒菱

    闇に撒く、無数の棘。そのひとつひとつが、知られた傷。

    弱いものは、必ずどれかを踏む。

  4. 紅い渦を描いて回る鎖鎌。
    四鎖鎌

    鎖は鎧の綴じを試し、鎌は番のいない戸口を探る。

    薄い鎧も、空いた持ち場も、明るみに出す。

  5. 紅い月の下、城壁の上端にかかる鉤縄。
    五鉤縄

    外壁を越え、内庭へ。道という道を歩く。

    最初の壁が尽きたところで、始まる。

  6. ただの杖から滑り出る仕込み刀。
    六仕込み刀

    ただの杖。内に、醒めた知恵。集めたすべてを読む。

    塞ぐべき順を、ひとつずつ名指す。

  7. 黒い鞘から抜かれる刀。
    七刀

    最後の一振り。己の手で抜く。門は、ひとつだけ。

    抜けば、刃はひとりでに進む。

折りたたんだ誓紙の上に置かれた刃と、白い朱印。

誓

刃は、誓いのあとに抜く。

どの武具も、まず問う。その壁はあなたのものか。試すと誓った壁か。

その手は、揺るがぬか。

武具を求める

静かに問え。答えも、静かに届く。